サッカーの攻撃における4つの優位性とは!?
サッカーの試合で効果的な攻撃をする上で理解しておきたいのが、4つの優位性です。サッカーは個人の技術だけで試合が決するものでなく、11対11(ジュニア期は8対8)の戦いになります。局面ごとにどのような優位性を築いていくかをイメージしながらゲームを構築していくことが勝利に繋がります。今回はそんなサッカーの攻撃における4つの優位性について解説していきます。監督やコーチだけでなく、ジュニアの選手たちも4つの優位性を理解しておくことで戦術理解度が格段に上がりますのでしっかり覚えておきましょう。
個人の質的優位
1つ目の優位性は個人の質的優位(クオリティ優位)です。これはシンプルにその局面における1対1のマッチアップでどちらが優位に立っているか?ということです。海外でいえばメッシ、ネイマール、エムバぺ選手などはマッチアップで確実に優位に立てる分かりやすい例です。最近の日本の選手でいえば、久保建英選手や三苫薫選手でしょうか。
こういった選手の場合、1対1の局面での勝率が高いため、わざと周りのスペースを空けて(サイドで孤立させて)ガンガン仕掛けさせる、裏をとり続ける、というのも戦術の1つです。
数的優位
2つ目の優位性は数的優位です。一定のエリアにおいて2対1や3対2、4対3など相手よりも攻撃の人数が多い状況が数的優位の状況です。カウンター時においては自然と数的優位になりチャンスになることが多いですが、ディフェンスラインからのビルドアップによる組織的攻撃の中で意図的に数的優位を作ることが重要です。
大きなエリアで切り抜けば3対3の状況でも、サポートのタイミングと角度、距離次第では局所で2対1の数的優位の状況を作れます。個人でのドリブル突破だけでなく、試合の中でどのように2対1を作るのかをイメージしながらビルドアップすることで突破の回数も増えてくるはずです。
ポジション優位
3つ目の優位性は個人のポジショニングによって優位を築くポジション優位という考え方です。
- ディフェンスと中盤のライン間
- 2人のCBの間をとる中間ポジション
- 相手マーカーの視野から消えているポジション
など、相手がマークにつきにくいポジショニングをとることで優位に立つことができます。数的不利の状況や個人のクオリティで劣っている場合でもポジションで優位に立てば得点のチャンスを作ることが可能です。
グループ優位
最後の優位性はグループ優位です。局面で2対2や3対3のシチュエーションになった場合にグループとしてどちらが優位なのかという考え方になります。チーム内でお互いのプレーの理解が深まると、数人が抜群のコンビネーションを発揮するケースがありますが、それを意図的に作り戦術として使っていくというコンセプトです。
チーム全体の総合力では負けていたとしても、グループ優位を作りその局面において勝ち続けることができれば試合に勝つ可能性も高まります。