ブロック中堅上位チーム同士の対戦
ジュニアサッカーのコーチとして数年ぶりにサッカーに復帰。毎週土日に小学生の試合を観るようになりました。今回観戦したのは60チームほどあるブロックの4年生中堅上位チーム同士(ベスト4~8)の対戦。そのレベルとなると、毎日サッカーを練習しているような子どもが大半で、サッカー始めたばかりでプレーに参加できない子どもはいません。試合では大人顔負けのドリブルをする子もいて、観る側としては非常に楽しむことができました。
ドリブルサッカーから脱却中の両チーム
ジュニアサッカーを観戦するようになって思ったのは、とにかくドリブルする子どもが多いこと。低学年だとそれが顕著で3年生前半くらいまでの試合は、ほとんどの選択肢がドリブルという印象でドリブル№1決定戦みたいな試合展開が多い。(もちろんパスでつなぐチームもありますし、トップレベルにいけばそうではないと思いますが。)今回観戦した両チームはドリブルサッカーから脱却中のチームに見え、1つのチームは逆サイドをワイドに使ってフリーになったサイドの選手が縦に突破していくスタイル。サイドのスピードが速いので、カウンターの際には効果的な攻撃が見られました。もう一方のチームは複数人が適切な距離をとり、ドリブルとパスを織り交ぜながら攻めるスタイル。時折、素早いカウンターやダイレクトパスで観衆を沸かせるプレーもあり、もう少し完成度が上がれば魅力的なチームになりそうなイメージを持ちました。
課題はボールをもらう前のイメージと動きの連続性
試合を観戦していて両チームに共通する課題だと感じたことは大きく2つありました。
課題の1つ目はボールをもらう前にどのようなプレーをするか?をイメージできていないこと。ボールが来たらとりあえずトラップする、ドリブルを開始してから考えるというプレーが多い印象がありました。小学校4年生に求め過ぎでは!?という意見もあるかもしれませんが、サッカーにパスを取り入れていくには事前の状況把握とプレーの選択をイメージしておくことが必要です。それがないと判断のスピードが上がらないので、「考えているうちに味方がマークにつかれてしまう」「チャンスになりそうなスペースが埋められてしまう」ということが起きてしまいます。
課題の2つ目は動きの連続性がないこと。パスを出したら動かない(サポートにいかない)、一度フリーになっていてもマークにつかれたら動きなおさないというのは顕著に出ていましたね。特にサポートの距離と角度に対する意識が甘くパスコースを作りなおす動きがほとんど見られなかったのが残念でした。
ドリブルサッカーの弊害
ドリブルは上手いがサッカーの動きがわからない。多くの試合を観戦する中でそんな小学生が多いのだろうと感じています。日本のジュニアチームでは1対1はもちろん1対2、1対3の状況でもドリブルで抜くことが重視されているように感じていますが、グループで突破することや意図的に数的優位・ポジション優位を築くような練習はあまり見たことがありません。 ドリブルで抜くのも楽しいですが、グループで頭を使って突破することができるようになればサッカーに対する考え方も大きく変わります。 自身も現役時代の若い頃はドリブラーだったのでドリブルを全否定するわけではないですが、もう少しサッカーを理解させてあげられるような練習が多くのジュニアチームに取り入れられるといいですね。