ジュニア世代でしっかりと身につけておきたい攻守の切り替えのスピードと目的を持ったパス回し。今回ご紹介するメニューはその両方の能力を同時に向上できるトレーニングです。
試合中に切り替えスピードが上がらない。
試合中に「切り替えを早くしろ!」と言われるジュニア選手も多いのではないでしょうか。単純に体力が無くて切り替えられないときもありますが、原因の多くは「認知」と「判断」の力が磨かれていないことです。
日本のジュニアチームの練習を見ると、多くの練習が攻守の切り替えを必要としないもの。コーンドリブル、1対1、対面パスなど、プレーがぶつ切りで連続性がない練習だけを繰り返していると、子どもたちは「切り替えないクセ」がつきます。
サッカーは「攻撃」⇒「攻守の切り替え」⇒「守備」⇒「守攻の切り替え」⇒「攻撃」の連続で、それが途切れることはありません。(セットプレー時も速いリスタートを常に意識する必要があります。)
攻守の切り替え時に「どこがチャンスか?」または「どこがピンチか?」を瞬時に「認知」し、自分が「どのようなアクションをするべきか?」という「判断」をともなう練習を普段から行う必要があります。練習していないものは試合ではできません。試合で上手くできていないことは普段の練習で改善できるように取り組んでいきましょう。
パス回しの目的がパス回しになっていないか?
ジュニア世代も高学年になると、ディフェンスラインからビルドアップしていく組織的攻撃を行うチームが増えてきます。一方でパス回しが目的になってしまうチームも多く、前線にチャンスがあっても、横パスやバックパスを選択してしまうこともあります。(日本代表の試合も良くないときはそんな感じですよね)
対面パスでは「止める」「蹴る」の技術は身に付きますが、目的を持ったパス回しができるようにはなりません。試合だけでなく練習から目的・狙いを持ったパス回しのメニューを組み「何のためのパス回しか?」を意識してトレーニングする必要があります。
お勧めの練習メニュー (2対2対2)
切り替えのスピード向上と目的を持ったパス回しができるようになるお勧めのトレーニングは2対2対2(オフェンス4対ディフェンス2)です。正方形のグリッドの中に3チームが入り2チームがオフェンス、1チームがディフェンスとなりボール回し(鳥かご)をします。
切り替えのスピードを上げる
ディフェンスチームにボールをとられたオフェンスチームは、とられたタイミングから守備への切り替えとなり、相手がワイドに広がる前にトップスピードでプレッシャーをかけに行きます。ボールをとったディフェンスチームは攻撃への切り替えとなりますので、広いスペースへボールを逃がして自分たちもワイドに広がります。
日本のジュニアチームで行われている多くのパス回し(鳥かご)練習では、ボールをとったら一度流れがストップして、ファーストパスは取らないなどのルールで行われている光景を多く見ます。実践の試合で起きないような状況下での練習(攻守の切り替えをしなくていい。)は時にマイナスな影響を与えてしまうこともあります。そのあたりを意識しながら練習をオーガナイズしていきましょう。
目的を持ったパス回しをする
当たり前ですがサッカーの試合の目的は相手よりも多くゴールを奪い試合に勝つことです。つまり攻撃時のパス回しの目的は最終的にはゴールにつながるパスを出すこと。すべてのパスを決定的なパスにはできないので、ディフェンス、中盤では前進するパス(縦パス)を入れることが主な目的となり、そのために横パスで相手をずらしたり、バックパスで仕切りなおしたりします。
2対2対2の練習において縦パス(前進)という目的を持たせるためには、対角線にいるオフェンスにダイレクトでパスを入れたら1点というようなルールを持たせることが有効です。練習に慣れてくると横パスをダイレクトでつなぎディフェンスをずらして縦パスのコースを作るということもできるようになってきます。縦パス(前進)をいれるための横パスという意識が根付けば試合中のパス回しの質も大きく変わります。
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