今回ご紹介するジュニアサッカーお勧めの本は、【テクニックはあるが「サッカー」が下手な日本人 ~日本はどうして世界で勝てないのか?~】村松 尚登 著 です。
大学卒業後にスペイン語もままならない状態で単身スペインに渡り、FCバルセロナのジュニアスクールコーチになるエピソードだけでも面白いのですが、12年間にわたるスペインでの指導経験から導き出した「スペイン」と「日本」のサッカーの違い、目指すべきサッカー理論の解説は読みごたえがあります。
テクニックはあるが、「サッカー」が下手な日本人 —日本はどうして世界で勝てないのか?
テクニック=サッカーではない。
スペイン人の日本人プレーヤーに対する評価は「テクニックやスピードは素晴らしい」という高評価がある一方で、総合的には「サッカーは下手」という評価になっているとのこと。
2013年に出版された本ではあるものの、10年近く立った今でもその印象は大きく変わっていないのではないかと思います。
海外で活躍する日本人選手の多くが、日本と世界のサッカーの違いを語っているように、まだまだ世界との差は縮まっていないのではないでしょうか。
リフティングやボールタッチ、コーンドリブルなど、実際の試合をイメージできない練習は効果的なのか?今一度考える必要があるでしょう。
テクニックはあるが、「サッカー」が下手な日本人 —日本はどうして世界で勝てないのか?
戦術的ピリオダイゼーション理論とは!?
この書で取り上げられているのは「戦術的ピリオダイゼーション理論」です。著者が本の中で「この理論に出会うために自分は11年間もバルセロナにい続けたんだ。」というくらい、サッカーの本質に迫った理論。
「サッカーが下手な日本人」から、「テクニックもスピードもあり、サッカーも上手い日本人」と評価されるようになるためには、このような本質を理解していくことが必要だと感じます。
理論の解説については本書を読んでいただければと思いますが、大事なことはサッカーをサッカーのまま理解すること。つまり試合と練習をなるべく切り分けないことです。(例えばコーンドリブルは「プレッシャーが無い」「相手が動かない」「味方もいない」「判断しなくてよい」という試合では起きえないシチュエーションです。)
「テクニックを伸ばしてもその過程でチーム戦術は伸びないが、その逆は可能だ」 ”引用元 テクニックはあるが、「サッカー」が下手な日本人”
今一度、ジュニア世代の練習内容を見つめなおすきっかけとなる一冊です。
テクニックはあるが、「サッカー」が下手な日本人 —日本はどうして世界で勝てないのか?