今回ご紹介する本は、8人制サッカーの教科書 内藤 清志 著 日本ミニフットボール協会監修 です。2011年度よりジュニア世代(U-8 U-10 U-12)で取り入れられた8人制のサッカー。11人制のサッカーと性質は大きく異なります。
私自身、2011年度以前にジュニア世代の指導者をしていて、数年前に復帰したのですが11人制のサッカーと8人制のサッカーの大きな違いに初めは戸惑いました。この本では、8人制サッカー導入の目的、8人制サッカーにおいて起こる事象の解説から始まり、サッカーの原理原則とは何か?選手たちが何を考えプレーするべきか?をシチュエーション毎にわかりやすく説明しています。
ジュニアサッカーの指導者はもちろんですが、小学校高学年になれば内容を理解できると思うので必ず読んでほしいですね。
「サッカー」「ゲーム」「プレー」の分析からトレーニング計画までを網羅
サッカーの分析
サッカーの原理原則とは何か?の解説から始まり、選手を評価する基準の整理、サッカーにおけるスピードの定義など、指導の場であいまいになりがちなワードが、具体的に整理されています。
特に重要な項目が数的優位、位置的優位、体勢優位の定義とそれをどう作るのか?とういう項目。ジュニア世代はドリブルや1対1のプレーのレベルは高いですが、試合の中で意図的に数的優位、位置的優位、体勢優位を築くけるプレーヤーはわずかだと思います。相手に優位な状態でボールが入れば、持っているボールスキルも最大限生かすことができるので、プレーの精度も格段に上がります。高学年にはぜひ身につけて欲しいですね。
ゲーム・プレーの分析
ゲームの分析では各ライン、選手の距離感の違いによって何が起こるのか?ということなど、全体を俯瞰してみる「鳥の目」での分析がされています。 ゲーム中にチーム全体の状況を俯瞰して捉えられるようになるとサッカーという競技がさらに面白くなるはずです。
また、プレーの分析ではピッチの立った選手が具体的にどうすればいいのかという「虫の目」で分析がされています。
トレーニング計画
プレーヤーがサッカーの原理原則を頭で理解できたとしても実行に移せるとは限りません。つまり、いくら指導者が動き方を口で説明したり、ホワイトボードを使って解説するだけではジュニア期のプレーヤーが試合中に実行することは難しいと考えるべきです。
大事なことは普段のトレーニングから原理原則が自然と身につくように練習メニューをオーガナイズすることです。こちらの本には多くのトレーニングメニューが紹介されていますのでぜひ参考にしてください。